思い出のTRPG「T&T(トンネルズ&トロールズ)」


文庫で遊べるTRPGの衝撃 トンネルズ&トロールズとの出会い

子供の頃、二つ目に手にしたルールブックがトンネルズ&トロールズでした。
当時はD&Dやトラベラーのような箱型で高価なゲームが主流。その中で、文庫サイズかつ680円という価格は、限られた小遣いでやりくりしていた身にはとてもありがたい存在でした。

同じく文庫型ゲームブックで人気だったファイティングファンタジーに続き、「安く・手軽に・何度も遊べる」という魅力を持った一本として、強く記憶に残っています。

6面ダイスだけで遊べる手軽さと工夫

当時は今のように気軽にダイスセットが手に入る時代ではなく、特に多面体ダイスは入手困難でした。
そんな中、トンネルズ&トロールズは6面ダイスのみで遊べる設計になっており、これがとにかくありがたい。

家にあったものや、どこかで手に入れたものをかき集め、サイズも色もバラバラな6面ダイスを握りしめて遊んでいた記憶があります。
この「あるもので遊ぶ」感じも、どこか手作り感があって良いんですよね。

ウォーロック誌が支えた熱量あるコミュニティ

当時のTRPGファンにとって欠かせなかったのがウォーロックという雑誌。
主にファイティングファンタジーとトンネルズ&トロールズを中心に、シナリオや追加ルール、サプリメント情報が掲載されていました。

これがとにかく楽しみで、次号を待つ時間すらワクワクしていたのを覚えています。
今でいうネットコミュニティ的な役割を、紙媒体で担っていた時代。情報が限られていた分、一つひとつの情報の価値が非常に高かったんですよね。

シンプルながらクセになる戦闘システム

トンネルズ&トロールズの特徴といえば、やはりその独特な戦闘システムです。

武器ごとに設定されたダイスを振り、そこにステータス由来の修正値を加算。
それをパーティ全体で合計し、敵側と比較する。そして負けた側だけが一方的にダメージを受けるという仕組み。

一見すると大味ですが、これが妙にテンポが良くて盛り上がる。

特に印象的なのはダイスの量。
非力な魔術師なら2d6程度ですが、戦士の両手武器になると5〜7個ものダイスを振ることになります。
戦闘中は机の上にサイコロが転がりまくり、人数が増えるとダイスが足りず、みんなで使い回すというカオスな光景に。

この「物理的に盛り上がる感じ」は、デジタルではなかなか再現できない魅力です。

D&Dとは違うもう一つのTRPG入門としての価値

当時のTRPGといえばD&Dが王道ですが、トンネルズ&トロールズはよりシンプルで遊びやすく、初心者向けの入り口として非常に優秀でした。

複雑なルールや準備が必要な箱型システムに比べ、文庫一冊とダイスさえあればすぐに遊べる。
この手軽さは、今あらためて見ても大きな強みだと思います。

また、ソロアドベンチャー形式のシナリオも多く、一人でも遊べるという点もユニークでした。
このあたりは、現代のソロTRPGやゲームブック文化にも通じる部分があります。

再評価されるクラシックTRPGの魅力

最近はTRPG人気が再燃し、動画配信やリプレイ文化の影響で新規プレイヤーも増えています。
そんな流れの中で、トンネルズ&トロールズも新しい版が登場しているようです。

改めて振り返ると、この作品は単なる懐古ではなく、今でも十分通用するシンプルで楽しいゲームデザインを持っています。

あの頃のように、大量の6面ダイスを転がしながら遊ぶ。
年齢を重ねた今だからこそ、もう一度その楽しさを味わってみるのも悪くないかもしれません。


 

0 件のコメント :

コメントを投稿