はじめて出会ったTRPGという衝撃
私が手にした初めてのTRPG、それがこの「ファイティングファンタジー」。
子供の頃、TRPGを知らなかった私は、
ゲームブックのルールを使って(ウルティマ3だったと思う・・)
行うボードゲームのような物を自作しており
それが、今おもえばそれがTRPGの概念に近いものでした。
そんな折に町の古本屋で手に取ったのが、この一冊。
最初は完全にゲームブックだと思って買ったのだが、ページを開いた瞬間にその認識は崩れることになる。
シナリオで遊ぶという発想
そこにあったのはボードでもマップでもなく、文章で書かれたゲームだった。
シナリオという形で世界が提示され、プレイヤーはそれを読み進めながら行動を決める。
この構造に触れたときの衝撃はかなり大きかった。
なるほど、ゲームは盤面がなくても成立する。
むしろ文章さえあれば、どこまでも自由に広がる。
それまで必死にすごろくのような盤面を描いていた自分にとって、これは発想の転換だった。
以降はメモと想像力だけで遊ぶスタイルへと一気に移行し、自然とTRPG的な遊びにのめり込んでいった。
驚くほどシンプルなルール
ファイティングファンタジーのもう一つの魅力は、その徹底したシンプルさにある。
ステータスは技術点、体力点、運点の3つのみ。
たったこれだけでキャラクターが成立する。
戦闘も非常にわかりやすい。
この潔いほど単純な仕組みが、テンポの良さと遊びやすさを生んでいる。
当時のTRPGといえば、複雑な表や細かな数値管理が当たり前になりつつあった時代。
その中で、このシンプルさはむしろ際立っていた。
コンパクトな構成と設計思想
本の中身は、ルールブックというよりは一つの遊びのパッケージに近い。
短めのシナリオが一本収録され、それに加えてTRPGという遊びの考え方が簡潔にまとめられている。
いわば入門書でありながら、すぐに遊べる実践キットでもある。
この構成は実によくできている。
読むだけで理解でき、すぐに遊べる。
そして遊びながらルールの意味が自然と身についていく。
後年さまざまなシステムに触れてみると、この設計がいかに優れていたかがよくわかる。
その後のTRPG遍歴と振り返り
正直なところ、この作品を遊んだ回数自体はそれほど多くない。
シンプルゆえに、当時の飽きやすい性格もあって、
やがてT&TやD&D、ルーンクエストといったより重厚なシステムへと移っていった。
ただ、それでも記憶の中での存在感は非常に大きい。
久しぶりに手に取ってみると、改めてその完成度の高さに気づかされる。
余計なものを削ぎ落とし、遊びの本質だけを残したような設計。
これは初心者向けというより、むしろ洗練の結果なのかもしれない。
文庫という形の価値
当時のTRPGは箱入りで数千円するものが主流だった。
いわゆる高級ホビーの領域で、子供にとってはなかなか手が出ない。
その中で、この作品は文庫本という形で提供された。
手に取りやすく、価格も抑えられている。
私の場合は古本で250円ほどだったが、その気軽さは本当にありがたかった。
もしこれが高価な箱だったら、そもそも出会えていなかった可能性もある。
入門書としての理想形
ファイティングファンタジーは、TRPGの入り口として非常に優れた作品だと思う。
ルールは簡単
準備も少ない
すぐに遊べる
そして何より想像力を刺激する
TRPGとは何かを説明するよりも、まず体験させる。
そのための最短距離にある一冊だった。
今振り返ると、自分の中でTRPGという遊びの輪郭を最初に形作ったのは、間違いなくこの本だったと感じる。

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